梅毒の2022年の年間感染者は1万人を超え、この10年前の約10倍に急増しています。特に、若い女性20代の感染者が増加しているのが特徴です。
近年、急増している梅毒とはどんな病気なんでしょうか。その原因や感染経路・症状について解説致します。
【梅毒】基本情報|原因・感染経路・症状など
原因となる病原体、潜伏期間、感染経路などの基本情報になります。
病原体 | 梅毒トレポネーマ |
潜伏期 | 約1か月(個人差あり) |
検査 | 梅毒トレポネーマの検出または血液検査で診断します。検査は感染したと思われる時から4週間以上経過してから受けることが必要です。 |
治療 | 抗菌薬が有効です。菌を死滅させることはできても、臓器などに生じた障害を元に戻すことはできません。早期の治療が大切です。パートナーも検査を受け、感染していたら治療することが重要です。 |
感染経路 | 菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴うセックスで感染します。妊娠中に感染すると、胎児に感染させる可能性があります。 |
免疫 | 免疫はできないので、何度も感染します。 |
出典:東京都性感染症ナビ
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梅毒はコンドームだけでは完全に感染は防げません
梅毒は他の性病と感染経路が違います。梅毒は粘膜感染以外でも感染します。皮膚の小さな傷などからも感染する可能性があります。
以下は東京都性感染症ナビのQ&Aからの抜粋です。
“感染した部分と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用することは、感染予防には有効です。ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100%予防できるとは言えません。症状が無くとも感染していることがあるので、検査を受けましょう。”
出典:東京都性感染症ナビ
少なくとも、コンドームは行為中、勃起したらすぐ、最初から最後までつけるのは鉄則です。
口だけでも梅毒は感染する可能性あり
また、梅毒は喉からも感染する可能性があります。
梅毒を含むオーラルで感染する可能性のある性病は次の通りです。
(1)淋菌感染症(いわゆる淋病)
(2)クラミジア感染症
(3)単純ヘルペス感染症
(4)梅毒
出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」
オーラルの時もコンドームをつけるようにしましょう。
梅毒感染者のHIVリスクは300倍
梅毒に感染している場合、HIVに感染するリスクも上がるといわれています。
梅毒や他の性病で、潰瘍ができ細胞組織が傷ついているような場合感染しやすくなります。
梅毒に完成していた場合の感染リスクは
■梅毒に感染していた場合のHIV感染リスク倍率
男性:10倍〜50倍
女性:50倍〜300倍
といわれています。
下記は日本エイズ学会のHPからの抜粋になります。
●性感染症とHIV感染症
出典:日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会
性感染症に罹患しているとHIVの感染を受けやすくなり、特に潰瘍病変がある場合は、HIVの感染リスクが男性では10~50倍、女性では50~300倍に高まる。また逆にHIV感に染症/AIDSがあると性感染症によってはその進行が早く、重症・難治化する傾向を示すものがある。
参考文献:日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会:HIV感染症「治療の手引き」P31
梅毒を早めに検査することは、HIV予防にもつながります。
梅毒の梅は梅干しの梅ではありません|感染注意
梅毒といえば、体にできる赤いブツブツが思い浮かぶ人が多いとおもいますが、「梅干し」とは無関係です。体にできる赤いブツブツが楊梅(ようばい)というヤマモモの果実ににているのでその昔、楊梅瘡と呼ばれていました。その楊が取れて梅毒と呼ばれるようになったそうです。
もしも、体に赤いブツブツができてきたら要注意です。
梅毒検査をおすすめする人|感染注意
こんな事があったときは検査を受ける事をおすすめ致します。
・コンドームを使うのを忘れた
・パートナーが梅毒の可能性がある
・オーラルをコンドームなしでした
【梅毒】感染症状と潜伏期間
歯周病やインフルエンザや肺炎や肝炎や口唇ヘルペスや水疱瘡や帯状疱疹や胃腸炎やおたふく風邪や風疹やリンゴ病やロタウイルスなど、菌・ウイルスが体の中で悪さをすることで発症する病気は数多く存在しますが、近年急増している性感染症と言えば梅毒です。
梅毒の症状についてですが、段階を経て症状が変わっていくというのが特徴的です。
梅毒の感染症状
梅毒は、感染後にさまざまな症状が現れます。この章では、感染初期から後期までの症状と、無症状感染者の特徴について説明します。
1.初期症状
感染初期には、性器や口周辺に硬い潰瘍(シャンクル)が現れることが一般的です。この症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
2. 進行すると現れる症状
病気が進行すると、発熱やリンパ節の腫れ、皮疹などの症状が出現します。これらの症状は他の病気とも重なるため、注意が必要です。
3. 後期症状
梅毒がさらに進行すると、心臓や脳、神経系に影響を及ぼすことがあります。重篤な合併症を防ぐためにも、早期の発見と治療が重要です。
梅毒の潜伏期間
梅毒は、感染後に症状が現れるまでの間に潜伏期間があります。この章では、潜伏期間の定義と特徴、各ステージの潜伏期間、および潜伏期間中の感染リスクについて説明します。
1. 潜伏期間の定義と特徴
潜伏期間とは、感染してから症状が現れるまでの期間のことです。梅毒の潜伏期間は個人差があり、症状が現れない場合もあります。
2. 各ステージの潜伏期間
梅毒の潜伏期間は、初期梅毒で3週間から3ヶ月、二次梅毒で1-6ヶ月、潜伏梅毒で数ヶ月から数年、三次梅毒で数年から数十年と、感染ステージによって異なります。
3. 潜伏期間中の感染リスク
潜伏期間中でも、感染力を持っていることがあります。特に初期梅毒や二次梅毒では、症状がない場合があるので特に注意が必要です。
梅毒に関するQ&A
梅毒に関する疑問や悩みを解決するために、よくある質問とその回答をまとめました。
梅毒に感染したらどうなる?
梅毒は適切な治療を行えば完治することができますが、放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。感染症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
潜伏期間中に気をつけることは?
潜伏期間中でも感染力があることがあります。予防策を継続し、定期的に検査を受けることで、感染リスクを低減できます。
感染症状がない場合でも検査は必要?
無症状感染者がいるため、感染症状がない場合でも定期的な検査が必要です。特に性的に活動的な人や複数のパートナーがいる場合は、定期的に検査を受けることが大切です。
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